SIVGA Que
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概要DETAIL
SIVGA Queは、10mmのベリリウム製ダイアフラムを備えたダイナミックドライバーを搭載しています。 ベリリウムはその金属特性により、極めて高い剛性と安定性を備えた優れたハイエンド音響素材です。これにより、定在波や振動による歪みを抑制し、共振を効果的に抑えることで、歪み、高調波、ノイズを大幅に低減し、自然でクリーン、クリアかつ正確なサウンドを実現します。
長所
- +温かみある中低域と艶やかなボーカル表現が音楽に情緒的な厚みを与える
- +ベリリウムコートDDが生み出す力強くも輪郭の崩れないベースの質感
- +付属OFCシルバーめっきケーブルが価格帯では高品質で見た目にも上品
短所
- -高域のプレゼンスが弱めで金属打楽器やエレキギターのクリスプ感に欠ける
- -音場は広大とはいえず立体的な広がりよりも密度感のある傾向
- -ノズルの独自形状でサードパーティのイヤーチップが合わないケースがある
総合レビューREVIEW
QueはSIVGAのイヤホンラインナップで最もリーズナブルな機種で、10mmベリリウムコーティング振動板搭載のシングルダイナミックドライバーにシングルマグネット デュアルキャビティ構造を組み合わせ、筐体には亜鉛合金ダイキャストと北米産ホワイトメープルウッドのフェイスプレートを採用しています。実売価格は約10,350円前後。同ブランドの平面磁界型上位機Nightingale(実売約45,000円)とは価格帯も音の方向性も異なる機種として位置づけられています。 聴き始めて最初に目立つのは中低域の密度の高さです。ボーカルにも弦楽器にも一段分の重みと土台があり、音符の粒を「鳴らす」というより「置く」ような感触があります。この重みはジャンルを選ばずに感じられますが、とくに太いベースラインと歪んだギターが重なるロック系の音楽だと、低域が立ち上がってから短く締まらずにわずかに広がってから落ちていくこの質感が音楽的に機能します。量としては多めで、個人的には好みの上限に近い場面もありましたが、サブベースが突き抜けて膨らむタイプではなく、中低域の丸みのある厚みとして届くため押しつけがましくはありません。 高域は正直おとなしめです。詳細感はあるものの空気感と伸びは控えめで、ハイハットのクラッシュ後の余韻がスパっと短くなる傾向があります。刺さりはほぼ皆無で長時間聴いても疲れにくいのは明確な利点ですが、明るく透明感のある高域を求める場合には物足りなさが出てきます。遮音性は一般的なパッシブアイソレーション程度で、騒がしい環境への対策としては期待しないほうが良いでしょう。 解像度は価格帯としては十分で、複数のパートが重なるサビでも音が潰れる場面はほとんどありませんでした。ただし同価格帯のより解析寄りの機種と直接比べると、細部の見え方は一歩引く印象です。音場は横幅が狭く、定位が内向きに感じられる傾向があります。音像のスケール自体はそれなりに豊かですが、音の広がりを求める場合は注意が必要です。分離感についてはドライバーの応答速度が効いていて楽器が団子状になることはないものの、ウォームな音作りがエッジを柔らかく処理するため、鮮明に切り分ける印象ではありません。 装着感については一点注意があります。ノズルが一般的な円筒形や端フランジ形ではなく、中央に溝が入った独自形状になっており、サードパーティのイヤーチップによっては抜けやすいことがあります。付属チップで問題なければそのまま使えますが、交換を考える際は事前に確認が必要です。フィット自体は長時間でも問題のない形状で、大きめのチップを選ぶとより安定します。 同じ動的型ドライバーのSIMGOT EA500LM(実売約13,350円)と比べると、Queはより低域が豊かで中域も厚みがありますが、高域の空気感と細部の描写ではEA500LMに差をつけられます。約3,000円の価格差を考えると、Queが劣るというより方向性が違うという整理になります。 総評:約10,000円でメープルウッドの筐体、ベリリウムドライバー、付属とは思えないケーブルが揃うのは驚きでした。音の方向性はウォーム寄りで、音場の広さや高域の解析感よりも中域の密度と音楽的な質感を重視した設計です。クラシックや男性ボーカルのジャズ・フォーク、あるいはベースとギターが厚い録音で最も持ち味が活きると思います。一方、ブライトで開放的な音場を好む場合には合わないでしょう。この価格帯で「聴いていて飽きない音」を探しているなら、一度試す価値はあると思います。
— Gadgetal編集部
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