beyerdynamic DT 990 PRO X
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概要DETAIL
100年以上にわたり、卓越したサウンドを追求してきました。DT 990 PRO X はその伝統を受け継ぎ、象徴的なサウンド、抜群の装着感、そしてパワフルな STELLAR.45 ドライバーシステム を備えています。ドイツでハンドクラフトされ、主要パーツは交換可能な設計。DT 990 PRO X は未来への投資とも言えるヘッドホンです。今日あなたをインスパイアし、明日も変わらず寄り添う存在となるでしょう。
長所
- +ハードパンされた音の左右定位が精確で、複数パートが重なっても各要素の置き場所が曖昧にならない
- +STELLAR.45ドライバーによる解像度と、低mid域の予想外の暖かみが両立している
- +velourパッドとvisco foamヘッドバンドの組み合わせで長時間でも耳が熱くなりにくい
短所
- -beyerdynamicらしい明るい高域のキャラクターは健在で、シンバルの倍音やボーカル子音が張り出す傾向がある
- -低音は精度重視の設計のため、体感的な圧力や量感を期待すると物足りない
- -オープンバックの構造上、外音遮断はほぼなく音漏れも大きい
総合レビューREVIEW
DT 990 PRO Xは、beyerdynamicのオープンバック型有線ヘッドフォンです。新世代のSTELLAR.45ドライバーを搭載し、従来のDT 990 PROが80Ωだったインピーダンスを48Ωへ大幅に引き下げたことで、専用アンプなしでスマートフォンやノートPCからでも十分に鳴らせるようになりました。PRO Xラインには密閉型のDT 770 PRO Xと、混音・マスタリング特化のDT 900 PRO Xが並んでいて、DT 990 PRO Xはその中で「ステレオ音場の開放感と批評的聴取」を担う位置づけです。 鳴らして最初に感じるのは、音の置き場所の精確さです。左右に大きく振られた音が端まで明瞭に定まり、複数のパートが積み重なっても何一つ曖昧な位置に浮きません。ステレオミックスを確認するときにこの能力がよく機能して、同じPRO Xラインでより高価なDT 900 PRO Xと比べても、音場の広さと見通しのよさではDT 990 PRO Xが上だと感じました。複数の声が絡む密度の高い楽曲でも各パートが個別の輪郭を保ち、どこで何が鳴っているかが追いやすいです。 中音域には予想より暖かみがあります。低い方の中音域に厚みがあり、声や弦楽器にかすかな温度感が乗ります。ただしその暖かみは上位の中音域まで濁らせず、ボーカルはわずかに前に出る感じで細部が聴き取りやすいです。弦のこすれ音やピアノの指の重さまで拾ってくる情報量は正直気持ちよく、この解析力がDT 990 PRO Xを選ぶ一番の理由になると思います。 明るい高域というbeyerdynamicの傾向は、このモデルでも健在です。DT 990 PROで問題視されていた"許容を超える鋭さ"は緩和されていて、シンバルの倍音が前に出る強調感は以前より落ち着いています。ただチューニングの方向性は変わっておらず、ボーカルの子音が張り出す場面や、音量を上げると高い成分が主張してくる局面はあります。録音の質感をそのまま照らし出す設計なので、高域に加工が多い音源では刺さりに近い感覚が出ることも。個人的には慣れれば気にならない範囲ですが、この帯域が苦手な方には依然向かないかもしれません。 開放型の宿命として低音が痩せる機種も多いなか、DT 990 PRO Xのベースはサブベースまで届いてコントロールが効いています。キックが速く連続する打ち込み音楽でも、各アタックが団子にならずに出てきます。ただ体感的な圧力や量感を期待すると物足りなく、これは低音の「どこにあるか」を正確に教えることを優先した設計だと割り切るほうが実態に合います。 作りについても触れておきたい。スプリングスチール製のヘッドバンドとガラス繊維強化プラスチックを組み合わせたドイツ製の構造で、手に持った瞬間から信頼感があります。イヤーパッド・ヘッドバンドパッド・ケーブルがすべて交換可能な設計なので、長く使い続けることを前提にしています。ケーブルはminiXLRのロック式で抜け事故が起きにくく、付属のアダプターで6.35mmジャック機器にも接続できます。velourとメモリーフォームの組み合わせは装着感が優秀で、長いセッションでも耳の熱がこもりにくいです。オープンバックのため外音遮断はほぼなく音漏れも相応にあるので、使える環境はスタジオや静かな自室に限られます。 総評:DT 990 PROから受け継いだ音場精度と解像度という骨格を保ちながら、48Ω化と高域の微調整で現代の機器環境に合わせた、一段使いやすい後継機です。ステレオパノラマの確認や批評的聴取で発揮される定位の精確さは素直に信頼できる水準で、この価格帯のオープンバックとして力強い選択肢だと思います。ただし同ラインのDT 900 PRO Xが低中域の密度と物理感に優れているのに対し、DT 990 PRO Xは音場と明瞭感を優先した性格なので、どちらを選ぶかは作業の用途に合わせて確認したいところです。
— Gadgetal編集部
スペックSPECIFICATIONS
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