HIFIMAN Sundara-C
リンクの他に違うバージョンがある場合がございます。スペックの違いにご注意ください。
概要DETAIL
Sundara密閉型バージョン。
長所
- +密閉型ならではの引き締まったベースと筐体による低域の凝縮感
- +ブナ材の木製イヤーカップが質感と音響特性の両面で上質な存在感
- +開放型と比べて実用的な遮音性を持ちながら開放型に迫るイメージング
短所
- -開放型と比べて高域の抜けと空気感がやや控えめ
- -同価格帯の他HIFIMAN機種の中で最も解像感が高い機種とはいえない
- -暖かみのある音調の裏返しとして高域のスパークや輝きは控えめ
総合レビューREVIEW
HIFIMAN Sundara-Cは、開放型Sundaraと同じ平面駆動ドライバーを密閉型筐体に収めたヘッドフォンです。ステルスマグネット搭載の密閉型で、イヤーカップにはブナ材を採用。インピーダンス20Ω・感度98dBのスペックを持ち、実売価格は2万2,000円前後です。HIFIMANのエントリーモデルHE400SEの上位に位置し、開放型Sundaraとは同一フレームを共有する密閉型バリエーションにあたります。 まず注目したのはブナ材のイヤーカップです。HIFIMANの多くのモデルがプラスチックカップを採用するなかで、この素材感は明らかに異質で、持ったときの重みと質感が他モデルとは違います。実際に鳴らしてみると、まず低域の焦点感の良さが耳に留まります。開放型Sundaraは低域がやや広く拡散する傾向がありますが、密閉構造がそのエネルギーを収束させたのでしょう、Sundara-Cの低域はズシっと来るのに締まりがある。速いドラムパターンが続く場面でも、キックとベースラインが混ざらず個別に追えます。中域への染み出しもなく、これは同価格帯の密閉型ダイナミックドライバーではなかなか出ない質感です。 分離感の良さは、この低域と表裏一体です。複数のパートが重なるサビでも各楽器の輪郭が保たれており、ベースラインの動きとキックの打点を同時に追いやすいのは、平面駆動ドライバーの恩恵がはっきりと出ている部分だと思います。 ボーカルは近め・暖かめの距離感で、女性ボーカルのサ行の子音がきちんと前に出てくるため、J-POPやR&Bのボーカルラインが明瞭に聴けます。ただし、弦楽器が多く重なる編成では低域の暖かみが中域にうっすら乗り、音の抜けが若干落ちる場面がありました。ボーカルを中心に聴く分には気になりませんが、弦楽四重奏のような内声部の聞き分けには向いていません。 高域は長時間向きの非刺激的なチューニングです。ハイハットの刻みや弦の上の倍音まで追える解像感がある一方、高い方の空気感は控えめで、開放型Sundaraのような高域の広がりは期待しないほうがいいです。これは設計上の選択で、密閉型として遮音性と引き換えにしたトレードオフでしょう。 音場は密閉型の制約をそのまま受けます。同じ価格帯の密閉型ヘッドフォン、例えばbeyerdynamic DT 770 PRO X Limited Editionと比べると奥行きと立体感で健闘しているものの、HE400SEより上のHIFIMANとして開放型の音場を期待すると話が変わります。密閉型として聴くか、開放型の代替として聴くかで印象がかなり異なる機種です。 装着感は432gという重量のわりに悪くなく、ワイドヘッドバンドが頭頂部への荷重を均等に分散させるため、3時間ほどの連続使用でも疲れは出ませんでした。ただし夏場はカップが熱くなるのが唯一気になった点です。金属ヘッドバンドは見た目に高級感がありますが、耐久面でやや心許ない造りでもあります。遮音性は完全な遮断ではないものの、外出先の騒音環境で実用的なレベルで機能します。 総評:2万2,000円という低価格の平面駆動密閉型と聞いて実力を疑っていましたが、実際に鳴らすと低域の質と分離感は価格以上でした。中域のヴェール感と密閉型なりの音場の狭さは隠しようのない弱点ですが、ボーカルが前に出る暖かい音調でポップ・R&B系を集中して聴くなら、同価格帯の密閉型ダイナミック機より素直に薦められる選択肢です。アンプの出力とバランス接続への対応が音質の底上げに効くため、ドングルDAC単体より少し良いものと組み合わせて使うと本領が出るのでぜひ試してください。
— Gadgetal編集部
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