ZiiGaat Arcanis
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概要DETAIL
ZiiGaat Arcanisは、2DD+5BAハイブリッド構成のインイヤーモニターで、最も正確でバランスの取れたトーン特性とプロレベルの技術的パフォーマンスを提供するように設計されています。デュアル10mmダイナミックドライバーを使用して、真のサブウーファーグレードの低音を実現します。2つのドライバーがISOBIC構成に配置され、出力と効率を最大化しながら歪みを低減します。20Hzで9dBの強力な出力を持つ2DDシステムは、クリーンで集中した低域を提供しながら、パワフルな低音と豊かな質感を提供します。
長所
- +イソバリック配置がもたらす、サブベースの量感と素早い引き足の両立
- +DDとBAの境界が溶けた、中音域全体の自然な一体感
- +幅・奥行き・高さの三次元に広がる、同価格帯トップクラスの音場
短所
- -フェイスプレートを押すたびに音が出るドライバーフレックス(耐久性への不安・横向き使用不向き)
- -付属ケーブル・ケース・チップが廉価モデルと同仕様で、バランス出力オプションなし
- -大音量では高域が前に張り出し、聴き疲れしやすくなる
総合レビューREVIEW
ArcanisはZiiGaatがこれまで手がけた中で最も複雑なドライバー構成を持つモデルです。2基の10mmダイナミックドライバーをイソバリック方式で重ね合わせ、5基のKnowles製BAを4ウェイのクロスオーバーで帯域分割しています。同ブランドのOdyssey 2やLushとは設計思想が明確に異なるモデルで、ZiiGaatが初めて本格的なフラッグシップ機として挑んだ一本です。 声の再現がこの機種の核です。ダイナミックドライバーとバランスドアーマチュアのクロスオーバーが非常に滑らかで、「ここからBAの帯域」と意識させられる瞬間がほとんどありません。重なる楽器の中でリードボーカルがちゃんと前に定位し、男声ならば輪郭が締まっていながら重心もしっかりあって、人工的な濃さに見えない。女声は倍音の乗り方が素直で、サ行が刺すように前に突き出る感覚がなく、ボーカルが密なバッキングに埋もれないまま長い時間聴いていられます。声を中心に聴く人には、この価格帯で選ぶ理由が十分あると感じました。 音場の三次元的な広がりも、この機種の売りの一つです。左右の広がりだけでなく奥行きと上方向にも空間が出るため、弦楽器が複数重なるクラシックや、各パートが緻密に絡むジャズアンサンブルで、各音が立体的に定位します。複雑なサビで音が混ざって潰れることも少なく、楽器の輪郭が最後まで保たれます。同ブランドのOdyssey 2は躍動感のあるVシェイプで低音の量感で押す路線ですが、Arcanisは中音と音場に重心を移しており、リファレンスに近い設計指針です。 サブベースは量感があり、キックの立ち上がりは素早く引き足も短い——鈍く残る感触がありません。速いビートが連続するEDMでは十分なパンチがありますが、ミッドベースを意図的に絞っているため、ベースラインを分厚く膨らませて曲全体を包み込む感覚は控えめです。バスヘッド向けの低音ではなく、精度と存在感を両立させた設計です。 高域のチューニングは、安全側に振っています。特定の帯域が突き出る感覚がなくシビランスもなく、長時間試聴でも刺さらない。高い方まで延伸があるのでシンバルのアタックと余韻は出ますが、キラキラとした輝きのキレよりも整ったスムースさを優先した音調です。個人的には、この落ち着いた高音が長時間のリスニングに向いていると思いますが、同価格帯のより明るい機種に慣れていると物足りなく感じる場面もあります。音量を上げすぎると高域成分が前に張り出して疲れが出てくるため、適切な音量で使うのが本来の音調で楽しめる条件です。 シェルは軽量なレジン製で、長時間の装着も快適です。ただ一点、フェイスプレートを指で押すたびにシェル内部でパキッとした音が出るドライバーフレックスが確認されています。耳に装着したまま横向きになるとトリガーしやすく、ベッドタイムでの使用には向きません。遮音性は装着の深さで大きく変わります。深くフィットすれば外音はかなり減りますが、シェルが浅め・小耳向きの設計上、フィットが甘くなると平均的な水準に留まります。 付属品は正直なところ、この価格帯に見合う内容ではありません。同梱のケーブルはZiiGaatの廉価モデルと同仕様の細い4芯組み、ケースも地味な作りで、4.4mmバランス出力のオプションすらありません。外観の美しさと装備内容のギャップが大きく、購入後すぐにリケーブルすることを前提に考えるほうが現実的です。 総評: 解像度・音場ともに本物の実力を持ったフラッグシップで、ボーカルと音の立体感を軸に聴く使い方ではこの価格帯の多くのハイブリッド機を上回ります。日本市場で実売約4万5千円台の Shanling ME600 は温かみと重厚感で押す対照的な音作りですが、より開放的な音場と透明感を求めるならArcanisを選ぶ根拠は十分です。ドライバーフレックスとアクセサリーの貧弱さは「これ1本で完結するフラッグシップ体験」としては惜しいですが、音そのものは付属品の残念さを差し引いても聴く価値があります。
— Gadgetal編集部
スペックSPECIFICATIONS
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