KZ ZST X
リンクの他に違うバージョンがある場合がございます。スペックの違いにご注意ください。
概要DETAIL
イヤホン開発における長年の経験から生み出されたKZ ZSTXイヤホンは、1基の高解像度30095のBA(バランスドアーマチュア型ドライバ)ドライバーと10mm二重磁気ダイナミックドライバーによるハイブリッドタイプのカナル型イヤホンです。KZ ZSTのメリットを受け付けて豊かな低音と綺麗なボーカルが際立ち、中低音域が上がります。同程度の価格帯である物と聴き比べると、音の広がり、迫力ともにZSTを圧倒しています。
編集部講評REVIEW
KZ ZSTXは、10mm PETダイアフラムのダイナミックドライバーと30095バランスドアーマチュアを組み合わせた1DD+1BAハイブリッド構成のIEMです。実売2,000〜2,500円前後というエントリー価格ながらビルドクオリティは価格の割に整っています。KZがハイブリッド市場に参入した初期モデルの流れを汲む一本です。 音の傾向はV字で、サブベースが大きく持ち上がった低域が特徴です。100Hz以下にかけてエネルギーが集中しており、曲によっては腹に響くような量感が楽しめます。ただしこの大きな持ち上げが、音の粒立ちや質感を犠牲にする構造になっています。「量はある、でも重さの中身が薄い」という印象で、ベースラインの動きを細かく追うよりも「ドン」と届く感覚を楽しむ低音です。ミッドベースへの膨らみは抑えられており、中域への干渉は比較的少なめです。 中域は大きく引っ込んでいます。男性ボーカルは胸声の厚みが出にくく、声の倍音成分が強調される方向に偏っているため、どこか作りものっぽい輪郭になりがちです。女性ボーカルは上中域のエネルギーで前に出てくる分、存在感はありますが、大音量ではきつさが増す場面があります。全体として、自然なボーカル再生というより「V字の中で声が何とか聴こえる」という状態です。 高域はBAドライバーが4kHz付近でひとつ盛り上がり、そこから急激に音量が落ちていきます。シンバルやハイハットが鳴って短い時間で消えてしまう感覚があり、響きの余韻が楽しめる高域ではありません。一方、刺さりや強い歯擦音は抑えられているため、中音量ではそれほど耳に当たりません。ただし大音量で鳴らすとサ行が刺激的になりやすいので、音量管理は意識してください。 音場は同価格帯のハイブリッドとしては奥行き方向の表現が比較的意識できる点が印象的です。横方向の広がりは平均的ですが、前後の位置の違いがある程度分かります。分離感も同価格帯のハイブリッドとして及第点を超えており、楽器の輪郭がぼやけきることはありませんが、テンポが速い曲や音数が多い曲では追いつきにくくなります。 コストパフォーマンスについては、2,000円台でリケーブル対応のハイブリッド構成という点は今でも一定の価値があります。しかし、それも発売当時は話題となりましたが、2026年現在では、同価格帯にTRN Dolphinをはじめとするより洗練されたシングルDD機や、バランスの改善されたハイブリッド機が揃っており、積極的に選ぶ理由は薄れています。「ハイブリッドIEMを初めて試してみたい」という動機での入手には適した価格ではありますが、同予算で選択肢を広げることをおすすめします。 総評: KZのハイブリッド草創期から続くスタイルを受け継いだ、エネルギッシュなV字サウンドと軽快な装着感が持ち味の一本です。中域とボーカルの質感には明確な限界がありますが、電子音楽やエレキ系ロックをサクッと楽しむ用途には不満なく使えます。今から購入するなら同価格帯の競合を先に試すべきですが、本機を持っている方がそのまま使い続ける分には不満も出にくいIEMです。
— Gadgetal編集部
スペックSPECIFICATIONS
各カテゴリーのデータベースDATABASE
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