Moondrop Blessing3
リンクの他に違うバージョンがある場合がございます。スペックの違いにご注意ください。
概要DETAIL
2DD+4BA・アドバンストハイブリッド3Wayカナル型モニターイヤホン:「Blessing3」は、3Dプリント技術によって実現した物理的なクロスオーバー構造を前作から継承しつつ、革新的な水平対向2DD低域モジュールを開発し、前作よりも高いダイナミックレンジと低い非線形歪みを実現します。 前作から改良されたハイブリッド中高域クロスオーバーは、高域のディテールを保証しながら、中高域のつながりと滑らかさを最適化し、新開発の低域モジュールとの組み合わせで、より力強く自然な音質を実現します。
長所
- +女性ボーカルの子音の立ち上がりに明るさがあり、前作Blessing 2より一段上の透明感
- +大編成オーケストラやプログレッシブロックでも音が潰れない、分離感と解像感の高さ
- +Blessing 2の弱点だった高域伸張を解決し、シンバル・ハイハットの余韻が上の帯域まで伸びるようになった
短所
- -低域の量感を意識的に絞った設計で、電子音楽のベースラインが薄く感じる場面がある
- -シェル形状が前作とほぼ同一の大型で、小耳のユーザーにはフィットしない可能性がある
- -鏡面仕上げのフェイスプレートは指紋と微細傷が目立ちやすい
総合レビューREVIEW
Moondrop Blessing 3 は、2DD+4BAのハイブリッド構成を持つ有線IEMです。透明アクリルシェルの内部に、横向き対向配置のデュアルダイナミックドライバーと4基のBAドライバーが収まり、3ウェイで帯域を分担する設計になっています。約¥53,000で、前作 Blessing 2 の正統後継として位置づけられる一機種です。 前作 Blessing 2 をかなり気に入って使い続けてきたので、後継機への期待はありました。Blessing 2 で引っかかっていたのは高域の伸張感の物足りなさで、シンバルのクラッシュ後の余韻が早めに消えてしまう感触がずっと気になっていた。Blessing 3 を鳴らして数曲聴くと、この不満がほぼ解消されていることに気づきます。シンバルが鳴った後の音が、ちゃんと上の帯域まで伸びて消えていく。Blessing 2 から Blessing 3 への変化の中で、もっとも実感しやすいポイントです。 中音域の再現力は、個人的にはこの価格帯では特筆できると思います。複数のボーカルラインと弦が重なるアコースティック編成を流したとき、声の輪郭が丁寧に出て、後ろの楽器との距離感が保たれています。女性ボーカルは子音の立ち上がりに明るさがあって、高域との連続が自然です。男性ボーカルも解像感自体は高いのですが、中低域の重みをもう少し欲しいと感じる場面はありました。これは上中域をわずかに持ち上げた設計上の選択で、すっきりした録音では声が埋もれない利点になる反面、重心の低い声には若干の軽さが出てしまいます。 低域については、設計として意識的に量感を絞り込んでいます。サブベースに程よいプレゼンスはあり、速いキックが連続するメタルや大編成オーケストラで音が混ざって潰れることはありません。それが強みでもあるのですが、反面、ベースラインがズドンと沈み込むことを期待して聴くと、明らかに物足りなさが出てきます。BA多ドラ構成の競合であるAFUL Performer 8Sと比べてもBessing 3の方が低域は控えめで、暖かみより明瞭さを選んだ機種です。 音場は同価格帯のIEMとしては広く、奥行きもあります。複数パートが重なるサビで各楽器の位置が掴みやすく、ドラムとボーカルが別の空間にいる感覚が出ます。分離感も水準以上で、パートが増えても個々の輪郭が保たれるのは、速いパッセージが続く楽曲ほど実感しやすいです。 高域は上述の通りBlessing 2から明確な進歩があります。刺さりは私の耳では感じませんでしたが、高域の感度が高い方が非常に長時間使い続けると、わずかな疲労感が出てくることはあるかもしれません。 シェルの形状は前作からほぼ変わっておらず、中〜大耳向けのサイズ感です。ノズル径が6.3mmから5.7mmに縮小されており、装着時のフィット感は確実に改善されました。私の耳では長時間装着でも不快感は出ませんでした。フェイスプレートは鏡面磨き仕上げのステンレスで見栄えはよいのですが、指紋がすぐ乗ります。付属ケーブルはBlessing 2より柔らかくなり、ハードウェアも洗練されていますが、メモリー癖はやや残ります。0.78mm 2ピン接続のためリケーブルは容易です。 総評: Blessing 2 のユーザーが感じていた「高域の詰めが甘い」という不満を、Blessing 3 はきちんと解消しています。中音域とボーカルの再現力はこの価格帯として素直に優れていて、¥50,000を出す価値はあります。ただし、低域の量感を絞った設計は変わらず、Blessing 2よりもさらにレファレンス寄りに振られているため、電子音楽やベース主体のジャンルを主軸に聴く方には物足りないはずです。その用途なら Moondrop Variations のような、より低域に振った機種の方が合うでしょう。ボーカルものや弦楽器が重なるアコースティック編成を中心に聴くなら、Blessing 3 は迷わず選べる機種です。
— Gadgetal編集部
スペックSPECIFICATIONS
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