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SONY MDR-CD900ST
有線ヘッドホン Sony

SONY MDR-CD900ST

★ 6.6 〜¥30,000 1位/1 編集部レビュー
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Score Detail
6.6 / 10
低音 5.4
中音 7.3
高音 5.7
解像度 6.3
音場 5.1
分離感 6.4
ボーカル適性 7.4
装着感(側圧・重量) 5.6
遮音性・音漏れ 7.4
コスパ 7.1

概要DETAIL

数多くのレコーディングスタジオで愛用されている音楽業界のハイスタンダード。世界の最先端技術を誇るソニーと、音創りを熟知するソニー・ミュージックスタジオが共同開発した完全プロフェッショナル仕様のモニターヘッドホン、それがMDR-CD900STです。原音をそのまま再現する音質、研ぎ澄まされた輪郭と音像。1989年の発売以来、数多くのレコーディングスタジオで愛用されている事実が、高い評価と信頼を証明しています。

長所

  • 3〜5kHz付近のライズが女性ボーカルの子音をハッキリと前に出し、歌詞の聞き取りやすさが高い
  • 低域・高域が全体的に控えめで、長時間のモニタリングでもサ行の刺さりが出ない
  • コンパクトなカップによるパッシブ遮音性が密閉型として非常に高い水準にある

短所

  • サブベースが大きくロールオフし、ベースラインが沈み込む量感に乏しい
  • 音場は密閉型の中でも特に閉じた印象で、立体的な定位の広がりが弱い
  • 合皮パッドが頻繁使用では約1年で劣化・剥がれが始まる

総合レビューREVIEW

1988年にソニーが日本のスタジオ向けに開発した密閉型ヘッドフォンで、「ST」はStudioを意味します。MDR-7506やV6と基本的な設計を共有しながら、より中域寄りのチューニングが施されたスタジオ機として長年現場で使われてきた機種です。後継にMDR-M1STが登場しており、本機はそのまま「スタジオクラシック」として独自の立ち位置を保ち続けています。 女性の歌声の子音がひとつひとつ丁寧に前に出てきて、歌詞がすっと聞き取れます。3〜5kHz付近に設けられたライズが効いているからでしょう。このライズは過剰でなく、声が張り出して刺さる感じはありません。男性ボーカルも輪郭はクリアですが、重心の低い声は下のエネルギーが薄く感じられ、声全体が多少軽くなります。高域は全体的に控えめで、シンバルの高い倍音や弦の際どいところも耳を刺してこないので、長時間聴いていても耳の疲れが出にくいです。この高域の穏やかさは、長時間のトラック確認を想定した設計上の判断だと思います。 ただし、低域には明確な限界があります。キックのアタック感はそれなりに拾えますが、打ち込みのベースラインが床まで沈んでいく感触はほとんどなく、ベースが主役になる音楽では根本的な物足りなさが残ります。これはコンパクトなカップが耳に十分な空間を作れず、密閉を保ちにくい構造的な要因も絡んでいるようです。モニターヘッドホンとして、よく言えばフラットなキャラクターです。同じMDRスタジオシリーズであるMDR-7506と挿し替えてみると、7506のほうが低中域にひとまわり厚みがあって、耳に馴染みやすい印象です。それと比べると本機はより素っ気ない——良い意味で着色が少なく、録音の問題がストレートに出てきます。そのためスタジオで愛用されているということに納得は出来ますが、この「素直さ」をポジティブに使えるかどうかが、この機種を選ぶかどうかの分かれ目だと思います。 音場については率直に言って狭く、「頭の中でやや奥まった位置で鳴っている」感覚が続きます。MDR-7506と比べても広さの差はほぼなく、この機種の設計上の割り切りです。細部の解像感は良好な水準にあり、複数の楽器が重なるパートでも音の輪郭は保たれ、モニターとして機能する分離感があります。ただし、高解像度ヘッドフォンが持つような情報量の多さ・微細な描写という点では、この価格帯なりの水準です。 フィット感は軽量フレームとゆるめのクランプ力のおかげで、最初は悪くないと感じます。個人的には1.5〜2時間を超えたあたりから、薄いパッドで耳がドライバーに近くなる感覚が気になり始めました。耳の形状によって個人差が大きく出るところで、問題ない人もいますが、長時間作業での快適さを重視するならパッド交換を前提に考えたほうがいいかもしれません。合皮パッドは使用頻度が高ければ1年程度で劣化・剥がれが始まるので、消耗品として割り切る必要があります。 一方で遮音性は予想を超えます。コンパクトなカップが外音をしっかり遮断し、密閉型の中でもかなり高い部類です。録音ブースでの使用を想定した設計の恩恵がここに出ていて、モニタリング時の没入感に貢献しています。 総評: ミックスやボーカルトラックの確認という目的に絞れば、今も実用的に機能するヘッドフォンです。サブベースの欠落と閉じた音場は設計上の帰結であり、これを欠点と見るか割り切りと見るかで評価が変わります。カジュアルな音楽リスニングを主な用途にするなら、同価格帯でより全域のバランスが取れた選択肢を探したほうが満足度は高いでしょう。スタジオ用途、特にボーカルを前に立たせたモニタリング環境で使うなら、30年以上生き残ってきた理由を実感できると思います。

— Gadgetal編集部

スペックSPECIFICATIONS

ブランド
Sony
ドライバ径
40mm
ドライバ種別
ダイナミック型
インピーダンス
63Ω
感度
106dB
周波数特性
5 - 30000 Hz
構造
密閉型
装着方式
オーバーイヤー
重量
200g

各カテゴリーのデータベースDATABASE

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