KZ ZAS Pro
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概要DETAIL
KZ ZAS Proは、KZ ZASをベースに開発されたオーディオファイル向けIEMです。リファレンスレベルのクリアさと、長時間リスニングに最適な滑らかなサウンドシグネチャーの絶妙なバランスを実現しています。パワフルなハイブリッド音響構造を維持しつつ、リスニングパフォーマンス全体を洗練させ、細部まで鮮明な解像度、滑らかなチューニング、そして快適な装着感を提供することで、集中して音楽を聴く場合でも、長時間の音楽鑑賞でも快適なリスニング体験を実現します。
編集部講評REVIEW
多ドラ構成らしからぬ「滑らかさ」と相変わらずの重低音
KZ ZAS Proは1DD+7BAの8ドライバー構成で、実売価格9,000円前後のハイブリッドIEMです。前世代のZASはドライバー数の割に音がまとまらないという不満が散見しましたが、ZAS ProはPCBクロスオーバーによる3ウェイ設計でその問題を整理しています。チューニングはゆるやかなW字で、低域・ボーカル帯・高域がそれぞれ主張しながら干渉しない構成になっています。 低域はこの機種の注目ポイントです。ダブルマグネット10mmDDのサブベースは量感があり、EDMのキックやヒップホップのベースラインを鳴らすとズシっとした重みのある低音が出ます。バスドラムのアタックやベースラインには輪郭がハッキリとしたあって、前世代のZASで多かった低音が中域まで膨らんで声を濁らせる問題も、ZAS Proではほぼ解消されています。ただし絶対的な低域量は多いので、アコースティック系の楽曲ではその量感が重く感じる場面があります。 ボーカル帯は前方に定位し、男女ともに歌声の輪郭を捉えやすいです。女性ボーカルのサ行に刺さりはなく、J-POPを続けて聴いても疲れません。ただ、BA複数搭載のハイブリッド機として、アコースティックギターや弦楽の鳴り方には人工的な薄さが出てきます。電子音楽や打ち込み主体では気になりませんが、生楽器を聴くと差が出てくる部分です。 高域はハイハットの刻みやシンバルのアタックがちゃんと聞こえます。7BAを積んでいるだけあって細かい音を拾ってくれるのは素直に良いところですが、高域を強調して明るく鳴らすタイプではないので、抜け感を求める方には大人しく感じるかもしれません。 複数楽器が重なるサビでも音が団子になりにくく、ドラム・ベース・ボーカルそれぞれの位置を追えます。音場は横幅が出るぶん奥行きは控えめで、KZ Sonata X(実売約22,000円)と比べると空間の広さには差があります。分離感については、この価格帯の8ドライバー機としては素直に良い仕上がりだと思います。 ドライバーが多いのに音が散らからないのは、PCBクロスオーバーによる帯域分けがうまく効いているからでしょう。30019 BAが高域、3ペア6基の50024s BAが中高域、DDが低域を担うことでそれぞれの帯域が整理されており、ZASのような音の混濁感がありません。付属のケーブルは200芯銀メッキと以前のKZ製品より品質が上がっており、付属のまま使っても奥の音まで拾えるようになっています。 筐体はアルミとレジンの複合構造で、表面の仕上げは9,000円台として及第点です。装着感はこの機種の一番の弱点で、正直、シェルの大きさは気になります。小耳の方には長時間の使用がきつい場面があります。遮音性はパッシブながら良好で、電車内での使用に問題はありません。 ZASでの不満だった音の散らかりを見事にまとめあげ、輪郭のある低音、解像感・分離感の高い音は正統進化と呼ぶにふさわしい出来となっています。EDM・ヒップホップ・J-POPを主体に低域の量感とボーカルの聴きやすさを求めるリスナーには、9,000円台の多ドラハイブリッドとして十分に選択肢に入ると思います。
— Gadgetal編集部
スペックSPECIFICATIONS
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