TANGZU FUDU VERSE II
リンクの他に違うバージョンがある場合がございます。スペックの違いにご注意ください。
概要DETAIL
従来のアルミニウム・樹脂製のフレームワークを超え、「Tangzu Fudu II」は天然の黒檀を採用し、真鍮と有機的な要素を融合させています。 この融合は、初代「Fudu」が持つ禅にインスパイアされた簡素さを継承しつつ、自然、伝統、そして素朴な要素とのより深いつながりを体現しています。それは、人間の精神と自然界を結びつける物語を丹念に綴った杜甫を彷彿とさせるものです。
長所
- +真鍮筐体と黒檀木フェイスプレートの組み合わせが個性的で存在感ある外観
- +タイタンDDによる締まりのあるミッドベースパンチとサブベースの沈み込み
- +観音開きパッケージと専用ケース付属という価格を超えた豪華な付属品
短所
- -上中域の山によってギターや伴奏が時に後退しボーカルとの距離感に不一致が生じる
- -ノズルの角度が合わない場合があり純正チップでシールが取れにくいことがある
- -古い録音や粗いマスタリングでは高域が刺激的になる場合あり
総合レビューREVIEW
TangzuのFUDUシリーズ2作目です。初代FUDUが全金属ボディだったのに対し、VERSE IIでは真鍮CNCシェルに黒檀の木製フェイスプレートを組み合わせ、デザインを一新しています。ドライバー構成は1DD+2BAのハイブリッドで、10mmチタン振動板のDDが低域、2本のBAが中域と高域を担当するQ-IAOクロスオーバー採用。実売1万2千〜1万5千円前後の機種です。 シェルを手に取ると、まず真鍮らしいズシっとした重みが印象的です。黒檀フェイスプレートは触れると木材だとはっきり分かる柔らかさで、金属とのコントラストが面白く、個人的に、この価格帯でここまで手に取って楽しいシェルはなかなかありません。パッケージも観音開きの凝った作りで、付属イヤーピースはSANCAI製の3種(きのこ型・ノーマル・広内径)が揃い、単体でも千円以上する品が標準で入っています。前作からの最大の変化がこのデザインのリニューアルで、コレクションとして持つ理由ができた機種という印象です。 音はU字チューニングです。10mmチタンDDが担う低域は、ミドルベースが前に出てキックのアタックがハッキリ出ます。サブベースは控えめで量感の主役はあくまでミドルベース。速い連符のベースラインでも低域のモワつきが出ないため、この価格帯では素直に気持ちいいです。同じU字系のKZ ZAS Pro(実売9,000円前後、低域の派手さで定評がある機種)と比べると、低域の量は抑えてあり、その分の締まりと透明感があります。 ここが大事な点なのですが、中音域には明確な弱点があります。ボーカルの子音が出る帯域には山があるため、声が前に出る感覚はあります。ただし、バッキングのギターやコーラスが曲によって「こんなに引っ込んでいたっけ?」というほど遠くに感じる場面があります。低域と高域がそれぞれちゃんと前に出るよう調整した結果として、中音域が代償を払っている気がします。そのためアコースティックギターが軸の楽曲や、弦楽器が重なるアンサンブルでは物足りなさが出てきます。ボーカルが前に出てベースが太いポップスや電子音楽であれば声が埋もれずに聴けますが、バンドサウンド全体を聴きたい場面では向き不向きがあります。 BAが担う高域は、ハイハットの刻みのアタックが粒立ちよく追える程度には情報量があり、刺さりもなく長時間聴いていられます。各帯域の輪郭は独立しており、低域と高域が主役のジャンルでは帯域間の分離もクリアです。音場の横幅は価格帯比でやや広め。奥行きや楽器の位置精度は平均的な水準で、Moondrop Aria 2(同価格帯の定番で全体バランスに優れる機種)と比べると定位の細やかさは一歩譲ります。古い録音や収録状態がよくない素材では高域が鋭く感じることがあるので、聴く楽曲によって印象は変わるかもしれません。 装着感はノズルが長く深く入るタイプで、耳の形との相性が出やすいです。付属イヤーピースが豊富なので合うものを見つけやすいとは思いますが、それでも合わない場合は手持ちのイヤーピースを試す手間が発生します。シェルが真鍮で重みがあるため、長時間の使用での疲れは個人差が出ます。ベントが2箇所あるため遮音性は密閉感があるものの完全な遮断は期待しにくく、静かな室内での使用向きです。ケーブルはOFC 0.78mm 2pinで、タッチノイズはほぼ気になりません。 総評: 中音域のボディの薄さは明確な弱点で、これが気になるかどうかで評価がかなり分かれます。ただ、デザインと付属品と低高域の出来を合計した満足感は、この価格帯として悪くありません。ボーカルが前に出るポップスや電子音楽を主軸に、見た目にもこだわりたいなら選ぶ根拠のある機種です。
— Gadgetal編集部
スペックSPECIFICATIONS
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