Kiwi Ears Stardust
リンクの他に違うバージョンがある場合がございます。スペックの違いにご注意ください。
概要DETAIL
Kiwi Ears Stardustは、カスタム設計の10mm PU+LCPダイナミックドライバーと4基のバランスドアーマチュアドライバーを搭載した、1DD+4BAハイブリッドドライバー構成を採用。パワフルな低音、クリアな中音、そして繊細な高音を実現します。軽量な樹脂ポリマー製シェルと陽極酸化処理された航空宇宙グレードのアルミニウム製フェースプレートにより、Stardustはミュージシャン、オーディオマニア、ゲーマーに、正確なサウンド再生と一日中快適なリスニング体験を提供します。
長所
- +音像がやや大きく量感があるのに、各音の境界が崩れない高い分離感
- +低域の量感があってもボーカルが自然に前へ定位し、埋もれない
- +低音量ではタイト、音量を上げるほど低域の弾力とアタックが豊かになる音量追従性
短所
- -高域の延伸が控えめで、シンバルの倍音の輝きや明るさを求めると物足りない
- -付属イヤーピースで密閉が取れないとサブベースがやせる、耳への合わせが低域に直結
- -執筆時点(2026年8月)で国内ECでの安定入手が難しく、海外EC経由が主な購入ルート
総合レビューREVIEW
10mm PU+LCP複合振動板のダイナミックドライバーに4基のバランスドアーマチュアを組み合わせた1DD+4BAハイブリッド構成で、実売価格は約11,500〜12,000円前後。個体ごとに手作業で組み立て・測定・ペアリングを行うという工程を経たモデル。Kiwi Earsは同じ価格帯にCadenza IIを持ちますが、Stardustはより積極的に低域の量感とボーカルの前傾を狙った別の方向性で投入されています。 1DD+4BAと聞けば、まず「低域と高域がちぐはぐになりがちな構成」を想定する人は多いと思いますが、本機は全域に均一な量感があり、それぞれの音の粒が大きいにもかかわらずきれいに分かれて聞こえます。 この機種の売りは低域の量感とボーカルの存在感が正面衝突しない構造です。60Hz付近にキックやベースの量感があり、低い音量ではタイトに制動されますが、音量を上げると弾力とアタックが一気に顔を出してきます。立ち上がった瞬間の打点がわかりやすく、その後は余韻を引っ張らずに収まります。それでいて400Hz付近が適度に整理されているため、低域の熱量がボーカルの帯域まで染み上がらない。ベースが太く打ち込みが効いたトラックでも、声の位置がブレないのはこの設計があってこそです。 ボーカルは半歩ほど前へ出た定位で、男女ともに艶っぽい質感が自然に乗ります。伴奏を痩せさせてボーカルだけを浮かせるタイプではなく、伴奏の存在感を保ったままボーカルへ意識が向く—このバランスの取り方は12,000円前後の機種としてかなり印象的でした。ボーカルが多いJ-POPやソウル系のトラックはとくに相性が良く、個人的には声がある音源ならジャンルを問わずこの機種で聴けると感じています。 高域については、少し性格が異なります。レイヤー感を伴って上へ抜けていくものの、刺激になる帯域まで無理に伸ばし切らないコントロールを感じます。ハイハットや金属音にBAらしい硬質な響きが乗りにくく、長く聴いていても耳が疲れにくい。ただ、これはウォームさが強く出る楽曲では「高域の抜けが物足りない」と感じることも裏返しで出てきます。シンバルの余韻が美しく長く聴きたいタイプには、ここが惜しく映るかもしれません。 音の位置感は価格帯の中で優秀な部類です。横方向に広く、低域の制動、高域のレイヤー感、ボーカルの前傾がどの曲でも崩れず安定しています。縦方向と奥行きはやや控えめで、「広大な空間」よりも「各音が正確な位置に収まる整然さ」と表現するほうが合います。同価格帯の定番であるMoondrop Aria 2と比べるなら、Aria 2が落ち着いた平面的な広がりを持つのに対し、Stardustはボーカルの前傾と低域のグルーヴ感でより立体的に音楽を組み立ててくる、というのが実感です。 ビルドは、軽量レジンシェルにアルマイト処理の航空宇宙グレードアルミフェイスプレートという組み合わせ。手に取ったときの軽さと、フェイスプレートのしっかりした質感が対比していて好印象です。付属イヤーピースは傘の形状が異なる黒・白の2種類が各S/M/Lで揃っており、自分の耳に合うサイズを探す選択肢としては十分です。ただしイヤーピースの密閉が甘いと低域が一気に抜けてしまうため、フィットの確認は丁寧に行う必要があります—これはこの機種に限った話ではありませんが、低域が売りの一角である分、よりシビアに影響が出ます。 付属ケーブルは銀メッキ無酸素銅の2芯構成で、FLAT 2Pinの着脱式。3.5mm標準・3.5mmマイク付き・USB Type-Cマイク付きの3種類から選べる設計は実用的です。遮音性はレジン密閉構造なりで、通勤・移動での使用には十分、ただし完全な外音遮断を求める用途には及びません。 総評:低域の量感とボーカルの前傾という、相反しがちな二つを同時に成立させた点に、この機種の価値があります。細かな分析をしなくても音楽が楽しく流れ、ちゃんと追いかければ情報も出てくる—その懐の広さは約12,000円という価格帯でも秀逸に感じました。難点は高域の伸びしろと縦方向の音場に限定されていますが、惜しさより好感が勝る一機です。
— Gadgetal編集部
スペックSPECIFICATIONS
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