TRN VX Pro+
リンクの他に違うバージョンがある場合がございます。スペックの違いにご注意ください。
概要DETAIL
10mmデュアルマグネティックサーキットDDにカスタムBAを搭載したハイブリッドモデル。前作のVX Proは金属筐体だったが、樹脂製に変更された。
編集部講評REVIEW
TRN VX Pro+は、10mm径のデュアル磁気回路ダイナミックドライバー1基と計8基のバランスドアーマチュアドライバーを組み合わせた1DD+8BAハイブリッド構成のIEMです。実売価格は6,000円前後と、9ドライバー構成としては比較的手が届きやすい価格帯に位置します。音調はナチュラル〜やや明るめのマイルドなVシェイプで、解像度と音場の広さが際立ちます。 低音は、ベリリウムメッキ振動板が生み出す速い応答が特徴的です。打撃感と沈み込みを両立した引き締まった低音で、サブベースの伸びも十分です。低域が中域方向に膨らむことはなく、中音の透明感を損なわない整理された出音。量感は中程度ながら質感が高くベースラインのアタックが鮮明に出ます。 中音は滑らかで情報量が多いものの、温かみよりも分析的な明瞭さが優先される傾向にあります。ボーカルや弦楽器の輪郭は比較的はっきりしており、細部のテクスチャが浮き出ます。一方でロックギターや男性バリトンボーカルのような、倍音の豊かさで聴かせる音源では、少々無機質に感じられる場面があります。 高音は複数のBAが担う帯域で、抜けが良く空気感を感じさせます。シンバルや高音域の弦に輝きがあり、前に出る設計ながら不快なピークは抑えられています。ただし付属イヤーピースとの組み合わせでは高域がやや強調されやすく、イヤーピースを交換することで落ち着く場合があります。 解像度はこの価格帯のハイブリッド機として明確な強みです。ピアノのアタック、ボーカルの息遣い、バイオリンの弓圧の変化など微細な情報が再現されます。音場は横幅が広く立体感があり、複数パートの楽器の位置を空間内に把握しやすい設計です。分離感も高く、情報量の多い曲でも各音が混濁しません。 独自構造・機能として特筆すべきは「3帯域コントロール設計」で、低域・中域・高域を異なるドライバー群が担い、それぞれのクロスオーバーを緻密に調整することで9ドライバー構成にもかかわらず一体感のあるサウンドを実現しています。DDには高剛性のベリリウムメッキ振動板とデュアル磁気回路を採用しており、これが低域の速い応答と広いダイナミックレンジに直結しています。なお、前世代のVX Proに搭載されていたチューニングフィルター機構はPro+では省かれており、固定チューニングとなっています。 ビルドクオリティは、9ドライバーを内包する多ドライバー機としてはコンパクトにまとまった樹脂製シェルで、剛性は十分です。ノズルや2ピン端子まわりの仕上げは価格帯相応の水準で、大きな品質ムラは見られません。 総評: TRN VX Pro+は、広い音場・高い解像度・明快な分離感の3点に明確な優位性を持つ、テクニカル志向のハイブリッドIEMです。ポップス・EDM・クラシック・ジャズといった、楽器の輪郭と空間表現を重視するジャンルを聴くリスナーには、この価格帯で得られる技術的な完成度として十分に推薦できます。反対に、ロック・フォーク・アコースティック音楽のように倍音の自然な温かみで音楽を楽しむリスナーには、中音の分析的な性格が物足りなく映る可能性が高く、相性が良いとは言えません。また、付属イヤーピースのまま使うと高域の刺さりが出やすいため、購入後のイヤーピース交換を前提として選ぶことを強くお勧めします。
— Gadgetal編集部
スペックSPECIFICATIONS
各カテゴリーのデータベースDATABASE
TRN の製品
同じメーカーの注目モデル
IEM ★ –
IEM ★ –
IEM ★ –
IEM ★ 6.7
IEM ★ –
IEM ★ –
IEM ★ 6.8
IEM ★ –
有線イヤホン ★ –
IEM ★ –