Moondrop QUARK2
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概要DETAIL
液晶ポリマードームと柔性エッジを使用したマイクロダイナミックドライバーを搭載。密閉型フロントキャビティ構造+32Bit/384kHz音源に対応。『Quark2』は、新しい40nm高性能USBオーディオSOCを採用しており、チップ内にCPU、RAM、DSP、デコーダー回路、アンプ回路が統合されています。これにより、複数のオーディオフィルターを同時にロードすることができ、上限32Bit/384kHzの音源をハードウェアでデコードし、高解像度のロスレス音源を簡単に再生できます。 全帯域にわたる広帯域のレスポンスがあり、VDSF Target Responseを参考にチューニングされています。優れた音響配置により、卓越した音響性能を実現。新型オーディオSOCにより、フルリンクで非線形歪みを0.05%未満に抑えます。『Quarks2』は、異なる外耳道のアコースティックカップリング特性に適応し、高周波ヘッドアンドトルソシミュレータ『B&K5128』での測定において、「VDSF5128Demo」の周波数特性に高度に適合します。 高解像度のロスレス音楽、シューティングゲーム、音楽ゲームのいずれにも完璧に対応します。異なる特性のダンピング材料を使用したダブルダンピング構造を採用しており、中高域の共振を減少させます。これにより、音のディテールを保ちながら、エントリーモデルによく見られる高域の刺さりを除去します。 密閉型フロントキャビティ構造により、『Quark2』は優れた遮音効果を発揮し、外部の騒音を大幅に遮断します。これにより、低い音量でも音楽を楽しむことができ、高音量による聴力への影響を軽減します。リモコンには高性能マイクも内蔵されており、電話会議、ゲームのボイスチャット、ライブ配信など、さまざまなシーンに対応しています。
長所
- +上中域の持ち上がりと制御された低音が組み合わさり、ボーカルが沈まずに前に出るチューニング
- +密閉型フロントキャビティが生む遮音性は同価格帯で突出しており、オフィスの環境音をほぼ遮断できる
- +約2,550円でDAC・DSP・マイク・3ボタンリモコンを固定ケーブル一本に収めた利便性
短所
- -バレット型の挿入深度次第で高域が顕著に落ち、音調が安定しにくい
- -複数の楽器が重なるアレンジで輪郭が団子状になりやすく、分離感と解像度は価格帯の中でも控えめ
- -付属イヤーチップが3ペアのみ、Moondrop Link非対応でEQ不可、内蔵マイクはこもり気味と弱点が重なる
総合レビューREVIEW
Moondrop QUARK2は、Moondrop Quarkシリーズの後継機です。Quarks DSPの次にあたるモデルで、7.8mm LCP振動板のダイナミックドライバーに40nm SoCによる統合DAC処理を固定USB-Cケーブルに内蔵し、インラインの3ボタンリモコンとマイクも備えています。実売価格は約2,550円前後で、外付けDACなしにスマートフォンやノートPCへ直接差せる設計です。 固定ケーブルに統合DACを積むという構成は「ケーブルとDAC、どちらも失くさない」という安心感は想像以上で、毎朝ポーチに投げ込んで出かけるような使い方には素直に便利だと感じます。ただ、最初に鳴らしてすぐ気づくのが、挿し方によって音の印象がかなり変わることです。 Harman寄りのチューニングではあるものの、Moondropは純粋なHarmanのカーブから少し変えていて、上中域と下中域の段差の付け方が声を前に引き出す構造になっています。ポップ系のボーカルが乗る打ち込み主体の音楽では、声が低音に埋もれることなくハッキリ聴こえ、男女どちらも刺さりやシャウト感なく素直です。この価格帯でボーカルがこれだけ前に出るのは、なかなか印象的でした。 声を主役にするためか、低音の量感は全体的に控えめです。サブベースに重心を置いたリフトが入っているので低音が完全に消えるわけではありませんが、電子音楽のベースラインがズシっと沈み込む感触は薄く、重低音を厚く膨らませたい人には物足りない場面が出てきます。Quarks DSPよりは中低域のパンチが改善されていて、歪みも少ないのですが、それでも主役は声であり低音ではありません。 高域は機能的ですが、シンバルのキラメキや高い方の空気感は薄めです。ここで注意が必要なのが、バレット型の挿入深度が音調に直結する点で、深く入るフォームチップを選ぶと高域がさらに落ち込みます。刺さりや子音のキツさとは無縁なリラックスしたキャラクターなのは確かで、長時間聴いても耳が疲れることはありませんでした。ただ、付属のシリコンチップでフィットを確認してから選ぶことを強くおすすめします。チップ一枚で音が別物になります。 細かい音の描写力と分離感は、この価格帯として平均的かやや控えめです。ギターとピアノとベースが同時に鳴るようなアコースティック編成では、個々の輪郭がやや団子状になります。音場も広いとは言いにくく、左右の配置は読み取れるものの、奥行きの表現は薄め。同ブランドのChu II(着脱ケーブル、別途DAC必要)と比べると、テクニカル面ではChu IIが一枚上手で、音の自然さや声の質感でも差があります。 ただ、遮音性だけはこの機種の大きな武器です。密閉型フロントキャビティの設計が効いているのか、オフィスの空調音やPCファンの低いノイズ、隣席のキーボードの打鍵音がほぼ遮断されます。通勤や図書館・カフェといった場面では、同価格帯の着脱ケーブル機より実用的に感じる人も多いはずです。 筐体はアルミ本体にポリカーボネートのノズルを合わせた構成で、内部のドライバーが透けて見えるデザインはこの価格帯らしくない作りです。約4.5gと軽く、フィットが決まれば長時間でも負担は少ない。ケーブルは絡まりやすく、シャツクリップが付属しないのでマイクを使うときは位置が定まりにくいです。マイク音質はこもり気味で、重要な会議よりも簡単なやり取り程度の用途に留めた方が無難でしょう。Moondrop Linkアプリは非対応でEQもできないため、音調を自分で調整したい人には不向きです。 総評:ボーカルに特化した音作りと遮音性の高さという2点の強みを持つ機種ですが、音の輪郭描写と高域の充実感に明確な限界があり、純粋な音質を求めるならChu IIに軍配が上がります。それでも、DAC内蔵の利便性と突出した遮音性を込みで約2,550円というのは、通勤や作業用のサブ機として選ぶ根拠になります。日常使いに割り切れる人には値段以上の満足があると思いますが、詳細な音の出来を期待して買うと少し肩透かしを食らうかもしれません。
— Gadgetal編集部
スペックSPECIFICATIONS
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