JUZEAR × KOTO Nebula
リンクの他に違うバージョンがある場合がございます。スペックの違いにご注意ください。
概要DETAIL
Ne Bulaは、4ウェイ精密クロスオーバー、4チューブ音響構造、およびマイクロパーフォレーション圧力バランスシステムを採用しており、より自然な音の移行、優れた音の分離、安定したボーカル、滑らかな高音域、明確なレイヤー感を持つ広大な横方向のサウンドステージ、そして卓越した楽器の位置特定を実現します。ライブ/OST/ACG/ボーカル音楽に最適です
長所
- +Defiantをベースに平面駆動ドライバーを加えたことで、高域の抜けと空気感が同ブランド比で一段向上
- +3BAが担う中域の密度とボーカル前方定位の自然さ——J-POPからジャズまで声が埋もれない
- +6N OCC銀メッキ400芯モジュラーケーブルがこの価格帯で標準付属し、バランス接続も追加投資なしで試せる
短所
- -付属ケーブルのイヤーフックの曲がりが急で、人によってはリケーブルなしに安定した装着が難しい
- -プレゼンス域(声の子音が映える中高域)が控えめで、ボーカルのエッジや存在感を好む人には物足りない
- -ポーチのみの付属でハードケースがなく、レジンシェルの日常保護がやや不安
総合レビューREVIEW
JUZEAR × KOTO Nebulaは、JUZEARの「Defiant」をベースに国内オーディオメディア「かじえログ」を主宰するKOTO(KajeKaje氏のブランド)とHiFiGOを加えた三者共同開発のIEMです。Defiantに平面駆動ドライバーを1基上乗せし、1DD+3BA+マイクロ平面駆動ドライバーの5ドライバー・トリブリッド構成としました。4ウェイクロスオーバーと4本の独立音導管でドライバー間の干渉を抑える設計で、70時間超のブラインドテストと6つのプロトタイプを経て「バランスと空間表現」をテーマに仕上げたとのことです。実売価格(要確認)。 まず見た目ですが見る角度で青から金・紫・緑へと表情を変えるフェイスプレートです。そのままシェルを指でつまむと、6.1gという軽さが即座に伝わってきます。外見と軽量感だけでも価格帯を超えた満足感があり、聴く前から期待値が上がりました。 聴いて最初に気づくのは、声の聴こえ方です。3基のBAが担う中域は密度が高く、ボーカルが前方のはっきりとした位置に座ります。声が鳴り始めた瞬間から音量が落ち着くまで、その位置がほとんどブレない安定感があります。女性ボーカルの場合、息遣いの細部が高い方向へ自然に広がっていく感触があり、ボーカルが主役のJ-POPや弦楽伴奏の楽曲で声が沈み込まない安心感があります。男性ボーカルも前方向で豊かですが、声の最細部の粒立ちという面では上位機種に譲ります。 この中域には一つ注意したい性格があります。録音の品質をかなり正直に映し出す点です。きれいに録られた音源では、ピアノの残音の広がりや弦楽器の胴鳴りの質感まで拾えて好ましいです。一方で、圧縮が強かったりミックスが粗かったりする音源は、その粗がそのまま耳に届きます。これはDefiantからの平面駆動ドライバー追加による情報量向上の恩恵でもあり、そのまま音源の選り好みにもなります。 高域の構成が、この機種でいちばん興味深い部分です。ボーカルの子音が張り出してくる帯域は控えめに抑えられており、長時間のリスニングで耳が痛くなる種類の刺さりはほぼありません。その代わり、平面駆動ドライバーが担うトップエンドの空気感は比較的開いています。シンバルのアタック後、余韻がゆっくりと上方向へ消えていく感触はKOTOブランドの前作「ITO」(Dunu × KOTO)の重低音特化型とは対極で、こちらは高域の抜けを武器にした路線です。ただし、音源やソースによっては高域がやや薄く感じる場面もあり、すべての環境で万全というわけでもありません。 音の広がりは、この価格帯のIEMとしてかなりいいです。横方向と奥行きの両方が広く、楽器の前後の配置が比較的明確に掴めます。ピアノトリオやボーカル+アコースティックギターのようにパートが少ない編成では、各楽器がどこにいるかをスッと追えます。複数のパートが重なる密度の高い楽曲では、BAの限界が少しずつ顔を出し始め、音の境界線が甘くなってくる場面が出てきます。これはこの価格帯の3BA構成には避けがたいトレードオフで、Defiantから進化した部分と並んで存在するもとの限界と受け取っています。 低音は量感がありながら出すぎない設計です。サブベースが軸で、一音の鳴り始めから収まるまでが比較的短く、次のビートへの引き渡しがもたつかない感じです。Defiantよりサブベース・ミッドベースがやや厚く、代わりに音の機敏さはDefiantが僅かに上という差があります。重低音の圧力感を主軸に聴くスタイルには向きませんが、ベースが主張しすぎず楽曲全体のバランスを崩さない調整は意図的なものでしょう。 装着感はシェル自体は軽量で優秀ですが、付属ケーブルのイヤーフックの曲がりがかなり急で、個人的にはどのイヤーピースを試しても安定した装着が得られず、手持ちのケーブルに変えることになりました。シェルに起因する問題ではないので、リケーブルを厭わない方には影響しません。遮音性は公称26dBで、密閉感を確保できればかなり良好です。 コスパという面では、400芯6N OCC銀メッキのモジュラーケーブルが標準付属する点は単純に見ごたえがあります。3.5mmと4.4mmの両端子が付いており、バランス接続を手軽に試せる点はこの価格帯では珍しい利点です。ただし付属品にハードケースがなくポーチのみで、レジンシェルの日常保護には少し不安が残ります。 Moondrop KADENZと比べると、KADENZが単DDならではの帯域のつながりの滑らかさを武器にする一方、Nebulaは5ドライバー構成による高域の分解能と前後を含む立体的な音場で個性を出しています。ボーカルを中心に聴くかどうか、あるいは「音楽全体の整合感」か「帯域の切れ味」かで、どちらを選ぶかが変わる印象です。 総評:このIEMは、特定の帯域で競合を圧倒するよりも「何を鳴らしても崩れない」ことを優先した設計です。5ドライバーの組み合わせをここまで整合感を保って鳴らせているのは素直に良く、特にボーカルの前方定位と平面駆動ドライバー由来の高域の抜けはDefiantからの明確な進化点です。録音を正直に映し出す性格は、よい音源で聴く喜びを増してくれる一方、日常使いのすべての音源に向くわけでもありません。ポーチのみの付属とケーブルのイヤーフック問題は残念ですが、それを差し引いても長時間リスニングで疲れにくい万能機として実売価格(要確認)の価値はあります。ジャンルを絞らず毎日のリスニングに使う一本として、まず候補に上がる機種です。
— Gadgetal編集部
スペックSPECIFICATIONS
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