FiiO BTR17
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概要DETAIL
BTR7から大幅に機能が向上したフラッグシップBluetoothレシーバー。デュアル「ES9069Q」DAC構成と「THX AAA 78+」アンプを搭載。最新のQualcomm「QCC5181」プラットフォームによりLDAC/aptX Losslessに対応し、デスクトップモード時にバランス出力で最大650mWの高出力を実現。コンパクトなボディに凝縮された高度な音響技術により、新しいワイヤレスリスニング体験をお届けします。
長所
- +デスクトップモードで最大650mWを発揮し、平面磁気ヘッドホンも余裕で駆動
- +Bluetooth 5.4と主要高品位コーデックをすべてカバーする接続性
- +アルミ合金筐体とレザーケース付属の高い携帯時の質感
短所
- -低域の物理的な重みと量感はやや控えめで軽い印象
- -バッテリー持続時間は前機種からほぼ変わらず約9時間にとどまる
- -LDAC接続を維持するには専用アプリで他コーデックを無効化する操作が必要
総合レビューREVIEW
BTR5、BTR7と続いてきたFiiOのBluetooth DAC/アンプの現行最上位機です。実売価格は約28,500円前後で、Bluetooth対応のポータブルDACアンプとしてはかなり上の価格帯に位置します。内部には有線モデルのKA17と同じデュアルESS ES9069QのDACチップとTHX AAA 78+アンプ回路を積んでおり、ひと言で言えば「KA17の音質とBluetoothの使い勝手を一台にまとめた機器」です。3.5mmと4.4mmの出力を備え、USB-CはDAC用と電源用で独立した2ポート構成になっています。 前作までを使ってきた方が手に取ると、まずシェルの印象の違いに気づくはずです。アルミ合金のフレームにレザー調のバックパネル、短くてしなやかなデュアルUSB-Cケーブルとレザーケースが同梱されていて、前世代より明らかに「持ち物として手元に置きたい」と思えるものになっています。音を出す前の段階で、製品のクオリティが一段上がったことが分かります。 音を出すと、まず感じるのは背景の静けさです。ファームウェアをv0.51以降に更新した状態であれば、Bluetooth接続でも有線USB接続でもノイズフロアは実質ゼロで、高感度のIEMを挿しても息を潜めているような静寂があります。 この機器の特徴はリズムの処理にあると思います。速い打鍵や細かいパッセージを詰めた演奏を鳴らすと、音の立ち上がりがしっかりとしてて、収まりも素直です。各音が重なって潰れることなく、それぞれの位置で鳴って収まる。複数パートが絡み合うアンサンブル編成でも、どこで何が鳴っているかを自然に整理して聴かせてくれます。解像感そのものはこのクラスとして高く、ピアノのペダルを踏んだときの輝音の滲み方や、弦楽器の弓のひっかかりが細かく出てきます。ただ、「もっと深くまで掘り下げてほしい」というときに一枚ガラスがかかる感触はあって、細部を追いかけるより音楽をそのまま楽しむ方向の機器だという印象です。 音場の横幅は広く、4.4mmバランスで鳴らすと音の定位が肩の外あたりまで広がります。楽器の位置感が明確で、ジャズトリオのような小編成では各楽器が立体的に配置されているのが分かります。音色はニュートラルで、滑らかな印象を持ちました。 しかし低域に関しては物足りません。低音の速さと制御は精確で、ベースラインを追いかける能力は十分にあります。…が、量感は控えめで、低音の体積感・圧感を求める人には向きません。EQで低域を増量しようとすると、中域の開放感や音場の整理具合が崩れていく傾向があるため、EQ補正で解決する方向よりも「元々そういう設計の機器」として受け入れたほうがよさそうです。ベースが前に出て曲全体を包み込むタイプの音が好みなら、合わないかもしれません。 出力はデスクトップモード使用時に4.4mmで650mW(@32Ω)まで出ます。平面磁界型のフルサイズヘッドフォンも余裕をもって鳴らせる数字で、このサイズの携帯機器がここまでの出力を持っている点に一番驚きました。機能面でもPC/BT/PHONEの3モード切り替えや、スマートフォンのバッテリーを消費させないフォンモードなど、使い方の幅が広いのも実用面での強みです。Bluetooth 5.4でLDAC・aptX Losslessまで対応しており、LDAC使用時は他のコーデックをアプリ上で無効化しておく必要がありますが、それさえ知っていれば実際の接続は安定しています。ボリュームノブは操作感こそ良いものの、物理的な強さについてはやや心配の残る作りに見えますが、短期使用では判断しかねます。 総評:低域の量感の薄さをどう評価するかで印象が割れる機器ですが、それを差し引いても背景の静寂さ・駆動力・機能の密度はこのクラスで際立っています。約28,500円という価格に対して、KA17と同等の回路にBluetoothと多モード対応を加えた内容は、競合と比べて見劣りしません。有線と無線を一台で切り替えながら使いたい方に対して、現時点でこの価格帯の選択肢の中では素直に薦められる機種です。
— Gadgetal編集部
スペックSPECIFICATIONS
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