HiBy W4
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概要DETAIL
HiBy W4は、BluetoothレシーバーモードとUSBオーディオモードをシームレスに切り替えられる、オールインワンのポータブルHi-Fiソリューションです。音楽ソースがワイヤレスでも有線でも、W4は1台のコンパクトなデバイスでパワフルなヘッドホンアンプ機能と妥協のない音質を実現しており、日常的に持ち歩くのに最適です。
総合レビューREVIEW
約14,850円のポータブルBluetooth DAC/AMP。Dual CS43198 DACとBluetooth 5.4対応チップを搭載し、LDAC・aptX Lossless・aptX Adaptiveといった高解像度コーデックを一通りカバーします。出力は3.5mmシングルエンド(125mW)と4.4mmバランス(475mW)の両対応で、USB DAC機能(UAC 1.0/2.0両対応)も備えます。同価格帯の直接競合にあたるFiiO BTR15が約17,850円であることを考えると、機能面の充実度は頭ひとつ出ています。 手にすると、正面には2インチのカラータッチスクリーンが鎮座していて、Bluetooth接続中はアルバムアートが表示されます。タッチスクリーンは見た目だけの飾りではありません。ゲインの切り替え、デジタルフィルターの選択、EQプリセット、チャンネルバランスといった各種設定を、スマートフォンアプリなしにデバイス単体で完結させられます。側面にはUnchargeモードの物理スイッチがあり、W4本体の1500mAhバッテリーで駆動してスマートフォンの電池を節約する設計は、長時間の外出を想定したものです。UAC 1.0/2.0の両対応(画面上の長押し操作で切り替え)も地味に便利で、旧世代のゲーム機や古いPC接続でも使えます。 ただ、この充実した機能面には欠陥があります。再生してみると極端にボリュームが小さく、調べてみたところEU規制対応でボリュームが15段階に制限されており、最大の30段階を使うにはファームウェアのバージョン番号を5回タップしてデベロッパーモードに入り、手動で解除する手順が必要でした。さらに、設定した音量がスリープや電源オフのたびに初期値付近にリセットされるため、起動のたびに音量を調整し直す手間が生じます。高機能とUXの詰めの甘さが同居しているのが、W4を正直に評価するうえで外せないポイントです。 音に話を移すと、まず耳を引くのが音場の広さです。ポータブルBluetooth機としてこの価格帯で、ここまで開放的でエアーの抜けた広さを出す製品は少ない。弦楽器が重なるアコースティック系の録音でも各パートが窮屈に詰まらず、それなりの奥行きをもって展開されます。ただし音像一つ一つの輪郭の鋭さや定位の精度は、音場の広さほど際立ちません。広い空間に楽器が大まかに配置されている感覚で、足音の方向をピンポイントで追うような用途では物足りさが出ます。 個人的に最も気になったのは低域の制動です。量感はありますし、重低音のある電子音楽で薄っぺらくなることもないのですが、鍵盤打楽器の速い連打やキックの立ち上がりで、音が短く切れずに少し尾を引く傾向があります。チューニングがフラット/ニュートラル寄りなのは確かなのに、この低域の緩さが擬似的な温かみを作り出していて、暖色系のサウンドだと勘違いしそうになります。 テナー域の男性ボーカルやギターソロは適度な厚みで前に出てくる聴かせ方で、長時間でも疲れにくい自然さがあります。高域はハイハットの倍音までハッキリ出る清澄さで、ロールオフなしに上端まで伸びているのはBluetooth機としては好印象です。解像度については「この価格帯として平均的」というのが正直なところで、同価格帯のiBasso Jr. Macchiato(と並べると細かい情報量では一歩下がります。鳴らす機材の個性を引き出す透明な土台として機能するには、もう少し情報量が欲しいところです。 出力についても触れておくと、4.4mmバランスで475mWというスペックは書類上は申し分ないのですが、感度の高い一般的なIEMをつないでも「想像より音量が出ない」という印象を受ける場合があります。そもそも本機はポータブルIEM向けの設計で、負荷の高いヘッドフォンを鳴らすことは想定していない、と割り切るのが正しい付き合い方です。筐体はアルミ合金とABSの組み合わせで、約90gの重みが安っぽさを消していて好印象。カラーバリエーションも豊富で、視覚的な個性を出せる数少ないBluetooth機です。サイドボタンが左右で形状が似ていて触覚での区別がしにくい点は、慣れるまで若干のストレスになります。 総評:FiiO BTR15と同価格帯でディスプレイ・カバーアート・フルコーデック・Unchargeと機能を盛り込んでいる点は本物の強みで、音場の気持ちよさも価格を超えています。ただし、低域の制動不足と解像度の平凡さは隠しようがなく、音質を最優先に選ぶと割高感が出ます。「便利なオーディオデバイス」として使うなら選ぶ理由がありますが、音の細かさを出発点に選ぶなら、同価格帯で音質に絞って作られたドングルDACのほうが上手です。
— Gadgetal編集部
スペックSPECIFICATIONS
各カテゴリーのデータベースDATABASE
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